薬の効かない頻尿、尿もれに対するボトックス療法と仙骨神経刺激療法
薬の効かない頻尿、尿もれ
頻尿や尿もれの原因となる過活動膀胱は一般的には薬で治療します。一方で、薬の有効性は60-70%といわれており、30-40%の過活動膀胱は薬が効きません。また副作用のために薬の継続が困難か過活動膀胱の患者もみられます。
以前は薬の効かない頻尿や尿もれに対する治療はなく、諦めるより他はありませんでした。現在では、この薬の効かない頻尿や尿もれに対してボツリヌス療法や仙骨神経刺激療法という治療が本邦においても保険適応となっています。当院ウロギネ・女性排尿機能センターでは薬の効かない頻尿や尿もれに対するこれら両方の治療を専門的に行っています。
ボツリヌス療法とは?
ボツリヌス療法とはボツリヌストキシンというもの膀胱の壁に注射し、膀胱を弛緩させることで、頻尿や尿もれを改善させるものです。美容領域で使用されるしわを伸ばし、若返りをする注射と同じものです。したがって、この治療は膀胱のしわ伸ばしのようなものです。膀胱のボツリヌス療法は、局所の麻酔で行いますので、痛みはほとんどありません。また日帰りで簡便に行うことが可能です。
仙骨神経刺激療法
仙骨神経刺激療法は膀胱に分布する仙骨神経を非常に弱い電流で刺激し、頻尿や尿もれを改善させる治療です。心臓の不整脈で使用されるペースメーカーのようなものを埋め込みます。いわば排尿のペースメーカーのようなものです。
どちらの治療がよいのですか?
ボツリヌス療法と仙骨神経刺激療法のどちらが向いているかは患者さんによって異なります。一方の治療が効かない時にも他方の治療を行うことも可能です。これらの治療に詳しいウロギネ専門医に相談ください。