What's Pelvic floor muscle? 骨盤底筋とは
骨盤底筋とは、骨盤の底(下部)にある筋肉の総称で、骨盤内臓器を下から支え、排尿、排便のコントロールする役割を担っています。
骨盤底筋と姿勢は密接な関係があると言われています。姿勢保持に必要な筋肉は、腹筋や背筋などの体幹筋です。骨盤底筋は横隔膜、多裂筋、腹横筋などと共に、体幹の深層筋群で出来たインナーユニットを構成して、体の安定性や腹圧の調整に関与しています。
Pelvic floor Exercise. 骨盤底体操〜正しく収縮するには〜
骨盤底筋体操は、骨盤の底にある骨盤底筋群を鍛える体操で、尿失禁や軽度の骨盤臓器脱の治療として効果があると言われています。副作用もないことから、保存療法ではまず第一選択の治療として行われることが多いです。
しかし、骨盤底筋群は収縮が分かりにくい場所にあることから、『ちゃんと収縮出来ているかどうか分からない』、『上手く出来ないから途中でやめてしまった』という声を聞くことが多いです。実際、女性の25%で上手く収縮が出来ないということが報告されています。自分では収縮しているつもりという方でも、診療してみると上手く収縮出来ていないという方は多くいらっしゃいます。正しい収縮が出来ていないと、せっかく骨盤底筋体操を続けていても、なかなか効果が出てきません。また、骨盤底筋体操は最低でも3ヶ月は継続する必要がありますが、なかなか継続出来ないという方も多いです。中には「体操がしたくないから手術に踏み切った」という方もいらっしゃいますが、手術をした後でも骨盤底筋体操を継続することは必要です。
尿失禁や骨盤臓器脱を改善するには、骨盤底筋体操とあわせて、姿勢を整え、体幹筋を鍛えることがとても大切です。しかし、体幹トレーニングは腹圧上昇を伴い、骨盤底を押し下げることが報告されています。腹圧は尿もれや臓器脱のリスクファクターと言われており、特に尿もれや臓器脱の症状がある方の実施には注意が必要です。誤ったトレーニングはかえって症状を悪化させてしまう可能性があるため、症状のある方は専門家の指導のもと、トレーニングを行うことをお勧めします。
当ウロギネセンターではリハビリの専門家である理学療法士1名がウロギネ科専従で勤務しており、骨盤底筋体操の指導を行い、お一人お一人の状態に合わせて、骨盤底筋群の正しい収縮を身につけて頂くお手伝いをしています。個人差はありますが、指導後は多くの方が正しい収縮を身につけることが出来ています。中には収縮が難しい方もいらっしゃいますが、根気よく続けることで改善を目指します。骨盤底筋体操の成功の鍵は、正しい収縮の仕方を理解し、体に覚えさせることがとても大切です。正しい収縮の仕方にはコツがあります。骨盤底筋体操で一番大切なのは継続ですが、1人で運動を継続することは簡単なことではありません。外来リハビリではレッスンやアドバイスを通じて、運動継続のサポートしていきます。骨盤底筋の収縮が分からない、体操が継続出来ない、とお困りの方はぜひお気軽にご相談ください。
Pelvic floor Rehab. 骨盤底リハビリテーション
骨盤底リハビリテーションは、尿失禁や臓器脱など骨盤底疾患の症状のある方を対象に、骨盤底筋体操の指導、姿勢調整、生活指導などを中心としたアプローチを行い、症状の悪化防止や改善を目指します。また、手術前後には周術期の合併症予防を目的に早期の離床を目指します。
当ウロギネセンターでは、入院と外来で骨盤底リハビリを実施しています。
- 入院での骨盤底リハビリ
周術期の合併症予防が第一の目標となります。手術当日は安静ですが、術後翌日から歩行可能となります。体調に応じて、できるだけ起きたり歩いたりして、寝たきりの時間を減らし、早期離床を目指しましょう。骨盤底筋体操は尿道カテーテル抜去後(尿失禁手術は術後1日目、臓器脱手術は術後3日)から行っていきます。術前より練習しておくことをおすすめします。また退院時指導として、日常生活上の注意点などの指導も行なっていきます。 - 外来での骨盤底リハビリ
亀田クリニック:医師の診察後に理学療法士による骨盤底筋体操の指導が受けられます。骨盤底リハビリをご希望の方は診察時に医師にご相談下さい。
→骨盤底リハビリ サービス提供体制変更のお知らせ