第91回日本感染症学会総会で発表! その1
2017年4月6日〜8日の期間に行われた、第91回日本感染症学会総会・学術集会で、主任部長青島、部長代理中島、田中、城下が参加しました。青島は、口演:呼吸器感染症1の座長を務めました。
今回はその1として、中島の発表を報告します。
中島は、「23価型肺炎球菌ワクチンと4価インフルエンザワクチンの同時接種と逐次接種の免疫原性を比較する無作為化オープンラベル非劣性試験」を発表し、下記の結論を述べました。
「主要評価項目である血清型23Fの抗体応答割合の同時群と逐次群の差(同時群ー逐次群)は0.1%(90%CI-10.8%-11.1%)であり、同時群の逐次群に対する非劣性が示された。血清型23F,3,4,6B,14,19Aにおけるワクチン接種1ヶ月後の幾何平均抗体価は、同時群と逐次群において有意差を認めなかった。接種半年後の幾何平均抗体価は、血清型14のみ有意な低下を認め、他の血清型は有意差を認めなかった。インフルエンザH1N1,H3N2,B Phuketにおいて抗体保有割合は同時群と逐次群において有意差を認めなかった。全身性副反応と局所性反応は同時群と逐次群において有意差を認めなかった。23価肺炎球菌ワクチンと4価インフルエンザワクチンの同時接種は逐次接種と比較して有害事象を増やさず許容される免疫原性を示した。」
そして、最後に結論として、「ワクチン接種率を上げる方法として、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種は有効な戦略になると考えられる」と述べました。
会場からは、「ワクチンの種類によって結果に違いはでるのか?」と質問があり、中島は「インフルエンザワクチンに関してはまだ今回の研究しかデータないが、PCV13に関しては、やはり一部の血清型で同時接種群では、抗体価の低下を認めたと論文で報告されている。」と返答しました。
このサイトの監修者
亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓
【専門分野】
呼吸器疾患