当科の特徴

すべての呼吸器疾患の診療

・ 近年は呼吸器内科の領域でも、高度な専門分化が進み、呼吸器疾患の中での特定の分野の診療に特化している医師や施設も少なくありません。

・ 当科は、各医師が感染症や癌など専門領域を持ちながらも、診療においては特定の分野に特化せず感染症、肺癌、喘息、COPD、間質性肺疾患、アレルギー性肺疾患、職業性肺疾患、気胸をはじめとする様々な胸膜疾患、睡眠時無呼吸症候群などの異常呼吸、呼吸管理などすべてを診療できなければ呼吸器内科の専門医とは言えないと考えています。

・ よって、当科ではこれらすべての診療を行うことをポリシーとし、総合病院の中の呼吸器内科としては、東日本でトップクラスの呼吸器内科を目指しています。

多種多様な患者様に関係各科と連携した高度医療

・ 南房総一帯のみならず千葉県一円から東京都・神奈川県・茨城県まで幅広い呼吸器疾患の患者様が来院されます。

・ 肺癌は外科・放射線科・腫瘍内科と連携し、間質性肺炎・膠原病肺はリウマチ・アレルギー内科と協力して、専門性の高い診療を行っています。

診療業績(2023年度)

2023/4/1-2024/3/31

1.述べ入院患者数 19,383
2.入院患者の平均在院日数 15.3
3.新規の肺癌患者数 326
4.化学療法を試行したのべ肺癌患者数 1,489
5.延べ外来患者数 29,156

疾患別入院患者数(2023年度)

疾患 件数
肺癌 542
間質性疾患肺炎 177
肺炎 99
睡眠時無呼吸症候群 75
慢性閉塞性肺疾患 36
肺・縦隔の感染、膿瘍 36
気胸 32
誤嚥性肺炎 17
気道出血 17
肺非結核性抗酸菌症 15
気管支喘息 12
肺結核 8
全身性自己免疫性疾患 7
その他 142
1,215

全国トップクラスの気管支鏡検査 (年間 700件)

・ 呼吸器疾患の診断において根幹となる気管支鏡検査にも力を入れています。

・ 仮想気管支鏡(Virtual Bronchoscopy)や超音波気管支鏡(EBUS)などの最新機器と設備を揃え、気管支腔内超音波断層ガイドシース法(EBUS-GS)や超音波気管支鏡ガイド下縦隔リンパ節針生検(EBUS-TBNA)など最新診断手技を導入し積極的に行っています。

・ 呼吸器内視鏡検査の総件数は年間650〜700件と国内トップクラスとなっています。
(当院の呼吸器内視鏡検査室 Pulmonary Interventional Suiteの紹介)

肺癌のあらゆる治療が可能

・ 肺癌の患者数は県内有数であり、千葉県南部のがん拠点病院としての役割を担っております。

・ 肺癌診療は、呼吸器外科・腫瘍内科・放射線治療部と連携し、手術症例や集学的治療が必要な症例は、週1回の合同カンファレンスで治療方針を決定しています。

・ 2名の放射線治療医と共同で、定位放射線治療や同時化学放射線療法も可能であり、気管支鏡による光線力学的(PDTレーザー)治療も2014年10月に導入しており、肺癌においてはあらゆる治療が可能です。

・ 2018年11月よりクライオバイオプシーを導入しました。

積極的な学術活動

・ 当科では積極的に学術活動を推進しています。呼吸器学会総会では、毎年5〜7個の演題を出しております。論文や医学雑誌の執筆も多数行っています。

・ 国際学会は、ATS(米国胸部疾患学会)ERS(欧州呼吸器学会)、ACCP(米国胸部専門医)、IASLC(国際肺癌学会)など多数の学会において各人が積極的に臨床研究成果を発表しております。

・ 他大学、他施設との多施設前向き共同研究や、厚生労働省研究班における多施設共同研究、当院独自の前向き研究も行っています。

包括的呼吸リハビリテーションの推進

・ 2012年度よりCOPD患者様に対する、包括的呼吸リハビリテーションを外来および入院にて開始しました。

・ 提供患者様を中心に医師や看護師のみならず全職種が互いに連携をとりながら、リハビリテーション、栄養改善や服薬指導、生活支援などを行っていくことで、運動能力の改善、患者様のQOL(Quality of life=生活の質)を向上させることを目的としています。