中島啓医師が肺癌患者におけるインフルエンザワクチンについて論文報告!

亀田総合病院 呼吸器内科の部長代理 中島啓医師が、「Immunogenicity of trivalent influenza vaccine in patients with lung cancer undergoing anticancer chemotherapy.」(化学療法中の肺癌患者におけるインフルエンザワクチンの免疫原性)(厚生省:予防接種に関する分析疫学研究班助成)をワクチン関連の英文誌であるHuman Vaccines & Immunotherapeutics(2015年のImpact Factor 2.146)に報告しました。

http://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/21645515.2016.1246094

近年、化学療法中の肺癌患者さんでインフルエンザワクチンの抗体価が十分できていることを初めて示した研究になります。

本論文では、「化学療法中の肺癌患者でも、インフルエンザワクチンの抗体価は、国際基準を満たした。COPDと比較しても、多変量解析で、H1N1、H3N2の抗体保有率は下がらなかった。プラチナダブレット投与の患者では、単剤投与の患者と比べると、抗体価が下がる傾向を認めた。全体としては、肺癌患者における年1回のワクチン摂取をサポートする結果と考えられた。」という結論を述べました。

中島は、「後期研修医のときから、抗癌剤投与中の肺癌患者さんにインフルエンザワクチンを打っていて、抗体が適切にできているのかという疑問があった。今回の研究を通して、この疑問に対する1つの答えを導くことができた。これからも、臨床で感じた疑問に対して、臨床研究を頑張っていきたい。」と述べました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患