感染症学会 中日本/西日本地方会に参加! その2

2016年11月24日〜26日の期間に行われた、第86回日本感染症学会西日本地方会学術集会、第59回日本感染症学会中日本地方会学術集会、第64回日本化学療法学会西日本支部総会で、主任部長青島、医長中島、根本、胡谷が発表しました。

今回はその2として、中島の発表を報告します。

中島は、「23価型肺炎球菌ワクチンと4価インフルエンザワクチンの同時接種と逐次接種の免疫原性を比較する無作為化オープンラベル非劣性試験」を発表し、下記の結論を述べました。

「主要評価項目である血清型23Fの抗体応答割合の同時群と逐次群の差(同時群ー逐次群)は0.1%(90%CI-10.8%-11.1%)であり、同時群の逐次群に対する非劣性が示された。血清型23F,3,4,6B,14,19Aにおけるワクチン接種1ヶ月後の幾何平均抗体価は、同時群と逐次群において有意差を認めなかった。インフルエンザH1N1,H3N2,B Phuketにおいて抗体保有割合は同時群と逐次群において有意差を認めなかった。全身性副反応と局所性反応は同時群と逐次群において有意差を認めなかった。23価肺炎球菌ワクチンと4価インフルエンザワクチンの同時接種は逐次接種と比較して有害事象を増やさず許容される免疫原性を示した。」

そして、最後に結論として、「ワクチン接種率を上げる方法として、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種は有効な戦略になると考えられる」と述べました。

会場からは、「無作為化比較試験だが多変量解析も行っている理由を教えて下さい。」と質問があり、中島は「無作為化比較試験だが、交絡因子の影響を可能な限り調整するために、事前に、年齢と性別による層別化割付と多変量解析を計画した。そして、計画範囲内の多変量解析を行っている。」と返答しました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患