第56回日本呼吸器学会学術講演会 その5 医長中島と都筑が発表!

第56回日本呼吸器学会学術講演会(4月8日〜4月10日)が京都国際会議場で開催されました。

本稿では医長中島と都筑の発表を報告します。


中島は「 非HIVニューモシスチス肺炎(PCP)における胸部CT所見と予後の関連:単施設後ろ向きコホート研究」を発表し、「徳田らはPCPの画像所見で、type A:正常肺と小葉間隔壁で区切られた汎小葉性のGGOと、type B:びまん性の均一なGGOもしくは小葉間隔壁で区切られない不均一なGGOを報告している。本研究ではType Aで有意に30日死亡率が高かった。非HIV-PCPにおいて胸部CT所見Type Aが予後不良を示唆する可能性がある。」と結論を述べました。

会場からは、「type AはARDSのようにも見えるが、その後の経過で画像上の線維化などは出てきたのか?」と質問があり、中島は「PCPのCT所見の経過を見た検討では、多くのPCPは経過で線維化はきたさないと報告されている。本検討でも、線維化をきたしたものはほとんど認めなかった。」と返答しました。

中島は、「呼吸器内科の全領域の様々な発表を聞くことができ、大変勉強になりました」と感想を述べていました。


都筑は、「COPDの急性増悪時の予後因子としての意識障害に関する後方視的検討」を発表し、「意識障害は高CO2血症と関連していたが、意識障害と予後との関連は本検討では明らかとはならなかった。」という結論を述べました。

会場からは、「COPD増悪以外のその他の意識障害の除外はできているかどうか?」と質問があり、「全例においてCTやMRIでの精査は行っていないが、血液培養陽性例もコンタミネーションと考えられ、低血糖を認めた症例もなく、意識障害を呈した症例においてはいずれも高CO2血症が意識障害の原因と考えられた。」と返答しました。

都筑は、「さまざまな発表を聞けて、最新の知見やその他の施設の研究の着想など参考になることが多かったです。」と感想を述べていました。


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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患