Respiratory Expert Conferenceを開催 〜貫和敏博先生 特別講演〜

2016年2月25日に亀田総合病院K棟13階ホライゾンホールにて、結核予防会常務理事 東北大学名誉教授 貫和敏博先生にお越し頂き、Respiratory Expert Conferenceを開催しました。

基調講演として、当科部長代理の野間聖が座長をつとめ、亀田総合病院 慢性呼吸器疾患看護認定看護師 田村信行看護師と、当科医長 中島啓が発表しました。

田村信行看護師は、「当院における慢性呼吸器疾患看護認定看護師の取り組み」という演題を発表し、「慢性呼吸器疾患看護認定看護師の役割は、慢性呼吸器疾患患者のケアのみならず看護の質をあげることである。今後は呼吸リハチームにおける活動を主体に、地域に根ざした看護、教育、看護研究を行っていきたい。」と結論を述べました。

中島医長は、「当院におけるスピリーバの使用経験」を発表し、「COPDの薬物治療の第1選択は気管支拡張薬であり、当院で使用可能なLAMAとしてスピリーバがある。COPD患者では、薬物療法だけでなく、包括的呼吸リハビリテーションを行うことが重要である。」と結語を述べました。


貫和敏博先生は、特別講演の前に、まず当科の医師に対して、医師として新しい分野を学んでいくための方法をミニレクチャーして頂きました。Natureなど最高峰の医学雑誌を読む習慣をつくることなどを紹介頂き、実際に貫和先生が、東北大学で医師を育成するために行ってきた教育法や勉強法をお話頂き、とても刺激になりました。

そして、主任部長の青島正大が座長をつとめた、特別講演で貫和先生は「『全身が呼吸する』西野流呼吸法実践〜触れることで伝わるシグナルが存在する〜」をお話して頂きました。

貫和先生は、西野流呼吸法の内容を、日本に古くから伝わる武道や最新の科学的知見も交えて説明されました。そして、「西野流呼吸法の対気による相互身体性は社会における個のコミュニケーションに通じる。コミュニケーションの原点には言葉のみならず身体性がある。」という結論を述べられました。また、「言葉だけでなく、患者に触れることが、患者とのコニュニケーションにおいて重要である」ことをお話され、米国のスピーチフォーラムであるTED TALKにおける、「Doctor's touch」(by 医師・作家 エイブラハム・バルギーズ)という「患者に触れることの重要性」に関するプレゼンテーションを紹介して頂きました。講演のあとは、会場で西野流呼吸法の実践的指導を行って頂きました。

西野流呼吸法を多くの参加者が体験し、貫和先生の指導により、実際に「対気」によって身体が押される経験をした参加者も多く、普段西洋医学を主体に勉強している我々としては、とても新鮮な内容で驚かされました。


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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患