呼吸器疾患エキスパートセミナー 公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科 谷口博之先生 講演会

2月18日に亀田総合病院Kタワー13Fホライゾンホールで、青島主任部長が座長にて、呼吸器疾患エキスパートセミナーを開催しました。

今回は、公立陶生病院 呼吸器・アレルギー疾患内科 部長の谷口博之先生を招待し、「ARDSおよび間質性肺炎急性増悪の診断と治療」について講演を行って頂きました。

谷口先生は、ARDSの病態からベルリン定義、HRCTによる間質性肺炎急性増悪の予後予測まで、公立陶生病院が世界のトップジャーナルに発表したデータを主体に解説して頂きました。

「ベルリン定義においてARDSの定義が1週間になっている。しかし、薬剤性肺炎や急性間質性肺炎において、びまん性肺胞障害が形成されるまでに、数週間を要することもある。ベルリン定義は集中治療医の立場からみたARDSの概念になっている面がある。呼吸器内科医の立場からみたARDSについても、問題意識を持って取り組んでいく姿勢が大切である。」という提言が印象的でした。

会場からは、「間質性肺炎について免疫抑制剤や抗線維化薬など色んな治療法が出てきているが、間質性肺炎の術後の急性増悪に対して、有効な治療法や対処はあるのでしょうか?」と質問がありました。

谷口先生は、「術後の増悪に関連して、ステロイドパルス療法や免疫抑制剤による治療、抗線維化薬も含め、色んな治療が試みられてきているが、まだ標準的な治療は確立されていない。今後、臨床研究に取り組んでいく必要がある。」と述べられました。

懇親会でも、世界的に活躍されている谷口先生から直接色々なお話を聞かせて頂き、あらためて自分たちのモチベーションを上げることができました。


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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患