第218回呼吸器学会地方会で小田医師、渡邊医師が発表 その2

東京で開催された第218回日本呼吸器学会関東地方会で、亀田総合病院呼吸器内科より初期研修医小田医師、後期研修医渡邊医師が発表しました。また、指導医として、中島医長と三沢部長が参加しました。

渡邊医師は、「ニューモシスチス肺炎を合併した異所性ACTH産生小細胞肺癌(ED-SCLC)の一例」を発表しました。

渡邊医師は、「異所性ACTH症候群は小細胞肺癌に合併することがあり、化学療法の奏効率が低いことや、日和見感染症の合併により予後不良とされている。
今回、異所性ACTH産生小細胞肺癌と診断され、治療経過中にニューモシスチス肺炎を合併した1例を経験した。高血圧や低K血症を伴う小細胞肺癌の治療では、異所性ACTH産生によるCushing症候群を念頭におく必要がある。」と結論を述べました。

会場からは、「異所性ACTH症候群では典型的なCushing徴候を示さないのはなぜか?」と質問があり、渡邊医師は「ACTH産生腫瘍では、病気そのものの進行が早いことや。産生されるACTHのサイズが大きいことなどから、典型的なCushing徴候を示さないと言われている。」と返答しました。

若手医師・研修医のためのシンポジウムMDD症例検討会では、肺胞蛋白症と過敏性肺炎様の病変を伴った症例について複数の診療科によるプレゼンテーションがあり勉強になりました。また、ランチョンセミナーでは「COPDの身体活動生の重要性と向上に向けた取り組み」について、東京女子医科大学八千代医療センター呼吸器内科桂秀樹先生から、身体活動性に関する最新の話題について講演があり今後の診療の参考となりました。


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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患