「第36回日本レーザー医学会総会」に鈴木史医師と三沢部長の2名が参加し、鈴木史医師がミニワークショップで口演発表

「第36回日本レーザー医学会総会」(10/24-25 栃木県総合文化センター開催)に亀田総合病院・呼吸器内科から鈴木史医師と三沢部長が参加し、ミニワークショップII(呼吸器)で鈴木史医師が口演発表(三沢部長指導)しました。

鈴木医師は、「PDTによる気道狭窄解除によりPerformance status(PS)及び呼吸機能の改善を認め、化学療法の継続が可能になった小細胞肺癌の一例」を発表し、次のように結論しました。

「これまで小細胞癌に対して緩和的PDTと化学療法の併用を行い、PSおよび呼吸機能を保てたことで化学療法の継続ができたという報告はないが、今症例において併用は安全に実施可能であり、PDTが生存延長に寄与した可能性がある」と述べました。

会場からは、「小細胞肺癌へのPDT施行は適応基準に含まれているのか?」という質問に対して会場全体でディスカッションになりました。ある先生から「PDTの手技適応は早期肺癌とその他の肺癌となっており、小細胞肺癌と非小細胞肺癌の区別はないため特に問題にはならない」とコメントをいただきました。

「気道狭窄に対してステントや他のレーザーなどの選択肢について考慮されなかったのか?」という質問に対し、鈴木医師は、「当科においては高出力レーザーやステント留置などはあまりやっておらず、安全性から優れているPDTを選択した」と返答しました。

さらに会場からは「小細胞肺癌に対するPDTはおそらく本邦初かもしれない」と驚きのコメントもいただきました。

日本レーザー医学会総会では肺癌領域に限らず、形成外科や皮膚科領域のレーザー治療の最新話題も聞くことができました。

特に局所遺残再発食道癌への適応拡大に関する最新の話題など、今後ますますPDTの役割があらゆる領域で拡大していくことを感じました。

一方で、新たな医療技術の開発には産学官の連携が必要不可欠であり、また保険診療上、新規導入や適応拡大に関しては多くのハードルがあることを実感しました。


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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患