【開催報告】善家義貴先生をお招きし、「南房総 Lung Cancer Web Seminar」を開催しました

2025年7月25日(金)、国立がん研究センター東病院 呼吸器内科 医長の善家義貴先生をお招きし、「南房総 Lung Cancer Web Seminar」をハイブリッド形式にて開催いたしました。
当日は中島主任部長が座長を務め、善家先生より「肺癌個別化治療の今~RELAYの位置付け」と題してご講演いただきました。

講演では、EGFR遺伝子変異陽性肺癌に対する一次治療の現状について、豊富なエビデンスとともに詳細にご解説いただきました。

印象に残ったポイントは以下の通りです。

  • 複数の臨床試験で再現性のある結果が得られていることの重要性
  • 「3年生存率」が今後の評価軸となり得ること
  • オシメルチニブ単剤療法は本邦における肺臓炎リスクが約12%、脳転移症例における予後が再現性をもって良好ではない点において、他の治療選択肢を選ぶ余地がある。
  • RELAY試験(エルロチニブ+ラムシルマブ)およびNEJ026試験(エルロチニブ+ベバシズマブ)における、L858R変異陽性症例への一貫した有効性
  • FLAURA2試験、MARIPOSA試験では、いずれも対照群がオシメルチニブ単剤であり、患者背景(エクソン19欠失とL858R変異の割合、脳転移の有無など)に一定の共通点がみられることから、治療選択を考える上で示唆に富む内容であった
  • 両試験における3年生存率の差(FLAURA2:併用群64%、単剤群50%、MARIPOSA:併用群60%、単剤群51%)が、約10%の上乗せ効果として臨床的に重要であり、副作用マネジメントが鍵となること

ご多忙のなか、鴨川までお越しくださった善家先生に、改めて深く御礼申し上げます。
また、会場およびオンラインでご参加いただいた先生方にも、心より感謝申し上げます。
講演会が、皆さまの日々の診療に少しでもお役立ていただければ幸いです。

国立がん研究センター東病院呼吸器内科の皆さまには、毎年、当科専攻医の短期研修を温かく受け入れていただいております。研修を終えた専攻医たちは、ひとまわり成長した姿で戻ってきており、大変心強く感じております。これからもこのようなご縁を大切に、交流を続けてまいりたいと思っております。

このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患