青年(12歳〜17歳)におけるmRNA-1273 SARS-CoV-2ワクチンの有効性

現在、世界中からCOVID19ワクチンに関する様々な研究報告が発表されています。

New England Journal of Medicineに12歳〜17歳の青年期における新型コロナウイルスワクチン(モデルナワクチン)の安全性、免疫原性、有効性を評価するランダム化比較試験の中間解析が報告されました。

Evaluation of mRNA-1273 SARS-CoV-2 Vaccine in Adolescents.
N Engl J Med. 2021 Aug 11.
PMID: 34379915.

この研究では、健康な青年(12〜17歳)に、mRNA-1273ワクチン(各100μg)またはプラセボを2:1の比率でランダムに割り当て、28日間隔で、2回投与しました。

主要評価項目は、青年期のmRNA-1273の安全性と、若年成人(18〜25歳)と比較した青年期の免疫応答の非劣性についての評価でした。

合計3732人の参加者が、mRNA-1273(2489人の参加者)またはプラセボ(1243人の参加者)の接種にランダムに割り当てられました。
mRNA-1273グループでは、1回目または2回目の注射後に最も多かった副作用は、注射部位の痛み(それぞれ、93.1%および92.4%)、頭痛(それぞれ、44.6%および70.2%)、および倦怠感(それぞれ47.9%と67.8%)でした。 mRNA-1273またはプラセボに関連する重篤な有害事象は認められませんでした。

若年成人と比較した青年における偽ウイルス中和抗体価の幾何平均抗体価比は1.08(95%信頼区間[CI]、0.94〜1.24)であり、血清学的反応の絶対差は0.2パーセントポイント(95%CI、-1.8-2.4)でした。これは非劣性基準を満たしていました。

mRNA-1273群では2回目の注射から14日後に発症したCovid-19の症例は報告されておらず、プラセボ群では4例が発生しました。

この結果をもって、本研究では、結論として、mRNA-1273ワクチンは、青年期に許容できる安全性を有していること、免疫応答は若年成人と同様であり、ワクチンはCovid-19の予防に効果的であったと述べています。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患