厚生労働省科学研究補助金 ワクチンの有効性・安全性評価の分析疫学研究 班会議

亀田総合病院、呼吸器内科が、協力施設となっている、「厚生労働省科学研究補助金、ワクチンの有効性・安全性評価とVPD対策の適用に関する分析疫学研究」
の平成26年度、第1回班会議(2014年10月12日)に、青島主任部長と中島が参加してきました。

日本のワクチン研究を牽引されてきた、廣田良夫先生(医療法人相生会臨床疫学研究センター、公立大学法人大阪市立大学)が代表をされている研究班です。


当科は、「インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの高齢者肺炎予防効果に関する研究」(鈴木幹三先生)の協力施設であるとともに、昨年度、「化学療法中の肺癌患者におけるインフルエンザワクチンの免疫原性に関する研究」を亀田総合病院、呼吸器内科で行わせて頂きました。
当科の中島が、研究の最終結果報告をさせて頂きました。

亀田総合病院では、毎年、肺癌患者様に積極的にインフルエンザワクチンを接種しておりますが、「多くの患者様は抗がん剤投与中の免疫抑制状態にあるけども、インフルエンザワクチン接種により抗体価はしっかり上がっているのだろうか?」というクリニカルクエスチョンを臨床の現場では持っていました。

過去の先行研究もほとんどなく意義のある研究になると考え、研究班の先生方に相談させて頂き、厚生労働省科学研究補助金による援助を受け、昨年度、研究を行わせて頂きました。

前向きに登録した肺癌患者26例とCOPD患者26例において、幾何平均抗体価、抗体保有、応対応答、抗体陽転を比較しましたが、多変量解析を行っても、両群において有意な差は認めませんでした。


会場からは、「使用している抗がん剤はシスプラチンが多いのでしょうか?」という質問がありました。
「シスプラチンに加え、カルボプラチンが多いと思います」とお答えさせて頂きました。

今回、抗がん剤の種類の統計は取っておりませんが、最終的に論文化する場合には、使用抗がん剤の集計も合わせて行いたいと思います。


本研究は、2014年12月の日本ワクチン学会でも発表する予定です。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患