2014年10月4日 第12回千葉真菌症カンファレンスで発表

亀田総合病院、呼吸器内科は、血液内科と共同で、「侵襲性肺真菌症の気管支鏡による診断」について研究を行っております。

当科の中島が、2014年10月4日に開かれた千葉真菌症カンファレンスで「肺真菌症を疑い肺生検を施行した血液疾患患者の4例」について発表しました。

千葉真菌症カンファレンスは、千葉大学真菌医学研究センターの亀井克彦先生が、代表世話人をされている研究会です。

千葉真菌症カンファレンスで発表

亀田総合病院では、数年前より、血液疾患患者様の肺真菌症を疑う結節陰影に対して、積極的な気管支鏡検査を行っております。

当初は、気管支洗浄や気管支肺胞洗浄が主体でしたが、診断がほとんど得られなかったこと、ガイドシース併用超音波断層法(EBUS-GS)など安全な新技術を導入したことから、血小板5万以上の症例では、全例に肺生検を行っています。
おかげさまで、診断がつくことで、患者様の肺炎を改善することができた症例が、増えて来ております。


今のところ、肺真菌症を疑う結節影に対する肺生検例はCTガイド下肺生検も含めると、30例以上蓄積しており、詳細は2014年10月29日~31日に開催される第63回日本感染症学会東日本地方会学術集会で報告する予定です。

中島の発表では、「新技術の導入により、検査の安全性は飛躍的に向上したが、いまだに診断率は40%前後であり、組織量の増加、PCRの併用などによる診断率の向上が必要である」という結論を述べました。


会場の血液内科の先生より「私の病院でも、最近、呼吸器内科に気管支鏡を積極的に行ってもらっているのですが、気管支洗浄が主体です。生検はどのような症例に行っているのでしょうか?」という質問が来ました。

中島は「当初は気管支洗浄を主体で行っていましたが、診断を得られることは皆無でした。EBUS-GSという安全な新技術を導入したことにより、血液内科からの依頼もあり、基本的に全ての症例に肺生検を行っています」とお答えしました。

世話人の先生方からも、「是非症例を蓄積して、また報告して下さい!」と激励のお言葉を頂き、光栄でした。

亀田総合病院、呼吸器内科では、年間の気管支鏡件数600例(全国トップ5以内)という特徴を生かし、肺癌の診断だけでなく、血液疾患患者の肺真菌症の診断率の向上にも、貢献していきたいと決意しております。

第12回千葉真菌症カンファレンスで発表

このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患