真菌症フォーラム 第16回学術集会で中島医師が発表
2015年2月14日(土)に東京で開催された真菌症フォーラム 第16回学術集会(会長 河野 茂先生[長崎大学病院 病院長])で、亀田総合病院呼吸器内科の中島医師が発表しました。
発表演題名は、「亀田総合病院における血液疾患患者の肺真菌症を疑う結節影に対する超音波気管支鏡検査 (EBUS-GS)の取り組み 」です。
血液内科患者における深在性真菌症では、糸状菌(アスペルギルスや接合菌)の診断が難しく問題となっております。
当科では、近年、肺癌診断に開発された新技術であるガイドシース併用気管支腔内超音波断層法(EBUS-GS:Endobronchial Ultrasonography with a Guide Sheath)を、血液内科患者の肺真菌症の診断に臨床応用しており、当院で得られた近年の結果を発表しました。
中島は「EBUS-GSは、従来気管支鏡やCTガイド下肺生検と比較して、有意に合併症発生率が低く、血液内科患者でも安全に肺生検が可能である。」と結論を述べました。
会場からは、「血小板数や好中球数はどのくらいの値で検査を行っているのか?」と質問がありました。
中島は「血小板数5万/uL以上であればEBUS-GSを行っている。好中球数に関しては特に制限は設けておらず、少ない場合は広域抗菌薬投与下で行っている。」と答えました。
シンポジウムでは、真菌症における現状の問題や解決策を、様々な領域の第一人者の先生方が提示されました。
全国の病院で真菌同定検査を提出可能なネットワークの創設が必要とされていることや、血液領域ではやはり糸状菌の診断と治療が問題となっていることをあらためて理解できました。
当院では引き続き、肺真菌症の診断率向上に取り組み、血液内科患者の予後改善に貢献できるように頑張っていきたいと思いました。
このサイトの監修者
亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓
【専門分野】
呼吸器疾患