第213回日本呼吸器学会関東地方会(合同開催:第167回日本結核病学会関東支部会)徳本医師と大槻医師が発表

平成27年2月14日、東京で行われた第213回日本呼吸器学会関東地方会(合同開催:第167回日本結核病学会関東支部会)で、亀田総合病院、呼吸器内科より徳本医師(指導医渡邊医師)、大槻医師が発表しました。


初期研修医の徳本医師は、呼吸器内科ローテート中に指導医の渡邊医師と経験した「自己免疫性膵炎寛解後に肺病変が出現したIgG4関連疾患の1例」を報告しました。

徳本医師は、「間質性肺炎で、末梢血好酸球やIgE上昇を認めた場合、IgG4関連疾患を疑い、IgG・IgG4の測定や全身検索が重要である」という結論を述べました。

会場からは、「IgEと末梢血好酸球数が高値であったが、喘息などアレルギー素因はあったのでしょうか?」という質問があり、徳本医師は「本症例においては特にアレルギー素因は認めなかった」と答えました。

また、「膵病変と肺病変は、時間的にどちらが先行するのでしょうか」という質問もあり、徳本医師は「文献的には膵病変が先行する例もあれば肺病変が先行する例もあり一定の順序はなく多彩である」と回答しました。


当科の後期研修医の大槻医師は、「標準治療完遂後早期に再燃し、診断に苦慮した肺結核症の1例」を報告しました。

大槻医師は、「喀痰抗酸菌培養が陰性でも、臨床経過や背景などから結核が否定できない場合は、気管支鏡検査など侵襲的な検査を考慮すべきである」という結論を述べました。

会場より「6ヶ月の治療期間が不十分であったのでしょうか?」と質問があり、大槻医師は「標準的な治療期間に則って6ヶ月の治療期間としたが、本症例は、糖尿病、進行肺癌などの合併があり、細胞性免疫能が低下していた可能性が高く、結核の早期再燃に関与したと考えられる」と答えました。


発表終了後に皆で撮影した写真です。

第213回日本呼吸器学会関東地方会

このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患