第89回感染症学会総会 亀田総合病院呼吸器内科から中島と大槻が発表

4月16日〜17日に、第89回感染症学会総会が京都で開催され、亀田総合病院 呼吸器内科からは、中島医師と大槻医師が発表しました。

今年は、呼吸器学会総会と日程が重なったこともあり、医局員は、それぞれの学会に担当を分けて演題提出しました。


中島は「非HIVニューモシスチス肺炎におけるST合剤低用量治療の有用性」を発表し、「HIV-ニューモシスチス肺炎と比較し菌量が少ない非HIV-ニューモシスチス肺炎では、ST合剤低用量治療が有効な可能性がある」という結論を述べました。

会場からは、「どのような場合に標準量ではなく低用量で治療を行ったのか?」と質問がありました。

中島は「研究に協力頂いた診療科の中では、標準量が多すぎて患者さんが内服できなかったことや、ST合剤の有害事象を回避する目的から、ST合剤低用量投与を行い治療に成功していた。また注射薬を用いるときは、標準量で投与すると大量の水分負荷により心不全を来してしまう患者もいるため、担当医の判断で標準量の80%〜70%のドーズで投与されていた症例が存在した。結果としては、低用量治療の初期ST合剤治療完遂率は90%で、死亡率5%という良好な成績であった。」と答えました。


大槻は、「当院における肺MAC症の臨床的経過に対する検討」を発表し、「肺MAC症の治療は、画像所見だけでなく、総合的な所見で治療開始時期を検討する必要がある」という結論を述べました。

会場からは、「MAC抗体(キャピリア®MAC抗体ELIZA)を診療における判断で用いた症例はあったのか?」という質問がありました。

大槻は「今回は、ほとんど、当院でMAC抗体を正式導入する以前の症例が対象であり、今回MAC抗体については検討できていない」と述べました。

(発表後に大槻と中島で撮った写真です。)

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患