第55回 日本呼吸器学会学術講演会 その1 青島主任部長 座長にて シンポジウム「呼吸器専門医過疎地域における呼吸器医療の取り組み」を開催

第55回 日本呼吸器学会学術講演会にて、4月19日に、シンポジウム11「呼吸器専門医過疎地域における呼吸器医療の取り組み」の座長を、亀田総合病院 呼吸吸器内科 青島正大主任部長が、日本プライマリ・ケア連合学会理事の札幌医科大学医学部地域医療総合医学講座 山本和利教授と共に務めました。


現在、呼吸器疾患が増加しているのにも関わらず、呼吸器内科専門医が不在の地域が数多く存在しております。

このような呼吸器専門医過疎地域においては、総合内科医が呼吸器診療を担っている現状があり、青島が提案し日本プライマリ・ケア連合学会との共同企画の形でシンポジウムが実現しました。


「呼吸器専門医過疎地域における呼吸器医療」をテーマに、次の4名の医師が講演されました。


  • 野澤 靖美 先生(野沢内科クリニック):
  • 呼吸器専門医不在の地域で呼吸器診療を行う総合内科医の立場から

  • 鈴木 和夫 先生(新潟県立六日町病院内科):
  • 呼吸器専門医であり、かつ総合内科医として診療を行う立場から

  • 藤田 次郎 先生(琉球大学大学院感染症・呼吸器・消化器内科学科):
  • 地域へ医師を派遣する役割を担う大学病院側の取り組み

  • 古元 重和 先生(千葉県健康福祉部保健医療担当部長):
  • 医療行政の視点から


それぞれの先生が、ご自身の立場で、現状の問題に関してお話され、とても勉強になりました。


総合討論においては、フロアの大学に勤務されている先生より、「大学では、医学生に、医師としてどのようなキャリアを目指すように指導すれば良いのか?呼吸器専門医の絶対数が不足している以上、最初から専門医を目指すように指導すれば良いのか?それとも、プライマリ・ケア医を目指すように指導した方が良いのか?」と質問がありました。

多くの先生が、「最終的に自分が目指す医師像や働く場所により、経験すべきキャリアは大きく異なるため、一般的な結論を導くことは難しい。」と答えました。


また、呼吸器専門医過疎地域の現場で働く開業医の先生達からは、「今、現在呼吸器専門医が必要だが、大学病院や人材派遣会社を通しても、上手く人材を集められない現状がある。行政の力も借りて、早くなんとかして欲しい。」、「学会によってはガイドラインが無料になっているものもある。呼吸器学会のガイドラインも地方の開業医のために無料で提供して欲しい」などの意見も出ておりました。


現状の様々な問題点を実感するとともに、亀田総合病院 呼吸器内科としては、「若手医師に呼吸器内科の魅力を伝えること」、そして「各地で活躍できる、良き呼吸器内科医を育てること」に貢献していきたいと思いました。

(シンポジウム座長の青島主任部長)


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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患