第55回 日本呼吸器学会学術講演会 その2 中島医師と渡邊医師の発表

4月17日〜4月19日に開催された第55回 日本呼吸器学会学術講演会にて、亀田総合病院、呼吸器内科より5演題発表しました。

本稿では、中島医師と渡邊医師の発表について報告します。

150508img1.png中島は、「非HIVニューモシスチス肺炎の診断におけるβ-D-glucanのカットオフ値」を発表し、「非HIV-ニューモシスチス肺炎の診断におけるβ-D-glucan(ワコー法)のカットオフ値は従来の報告よりも低い可能性がある」と結論しました。

会場からは、「β-D-glucanの測定は、どのタイミングで行ったか?」と質問があり、中島は「全て発症時、つまり非HIVニューモシスチス肺炎が疑われ、ニューモシスチスに対する染色法や遺伝子学的検査が提出された際に、同時に調べられた血清β-D-glucan値である」と答えました。


渡邊は「当科におけるクオンティフェロン検査の有用性についての検討」を発表し、「高齢者では結核既感染者が多く、QFT陽性率も高くなるといわれているが、本検討では非高齢者(65才未満)、前期高齢者(65才以上75才未満)、後期高齢者(75才以上)の3群間において陽性率に有意差は認めなかった。また、免疫抑制薬の使用、低栄養状態では判定不可となる割合が多かった。」と結論しました。

会場からは、「免疫抑制薬の使用とは具体的にどのような状態か?」と質問があり、渡邊は「今回はPSL5mgなど低量でも免疫抑制状態として検討した。」と答えました。

次項では、 桂田と鈴木の発表について報告致します。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患