第36回 画像診断の基礎と臨床 学術講演会

平成27年3月28日に、亀田総合病院Kタワー13階で、第36回 画像診断の基礎と臨床 学術講演会が開催されました。

4つのテーマについて講演がありましたが、「びまん性肺疾患 -感染症を中心に-」のテーマで、大分大学医学部付属病院放射線科講師 岡田文人先生が講演をされ、亀田総合病院呼吸器内科 青島主任部長が、座長を務めました。


呼吸器内科医の視点から、印象に残った内容としては、「小葉間隔壁の肥厚は、静脈もしくはリンパ路のうっ滞を意味する。胸部CT上の小葉間隔壁肥厚があれば、非感染性病態を考える。」という言葉でした。

我々が肺炎を診療する際は、最初に「感染性病態か?非感染性病態か?」を考えます。

我々が診療する場合に以前より経験的に小葉間隔壁肥厚が目立つ場合は、薬剤性肺炎や肺水腫などの非感染性病態を鑑別に挙げていましたが、理論的にクリアーカットに説明頂き、さらに理解が進みました。


会場からは、「実臨床では、感染性病態と非感染性病態が混在する場合があり、例えば、細菌性肺炎と肺水腫が合併する場合には、肺水腫による小葉間隔壁肥厚はあっても、感染性病態も同時に存在するケースもある。その場合は、どのように考えるべきか?」と質問がありました。

岡田先生は、「その場合は、やはり小葉間隔壁肥厚を呈している肺水腫を考慮しつつも、同時に存在する感染症についても分けて評価が必要である」と答えられました。


明日からの臨床につながる素晴らしい講演会でした。

(演者と座長の先生方の集合写真です)
前列右端が岡田先生
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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患