第56回日本肺癌学会学術集会に三沢部長、桂田医師、鈴木医師、山脇医師が参加! その1

平成27年11月26日〜28日に横浜で開催された第56回日本肺癌学会学術集会に、三沢部長、桂田医師、鈴木医師、山脇医師が参加し、三沢部長指導の下、桂田医師、鈴木医師、山脇医師が発表しました。
本稿では、その1として桂田医師と鈴木医師の発表について記載します。


桂田医師は、「局所進行III期非小細胞肺癌に対して術前導入化学放射線療法後のEBUS-TBNAによる病理学的N因子評価の有用性」を発表し、次の結論を述べました。

「局所進行III期非小細胞癌に対して術前導入化学療法後のEBUS-TBNAによるp-N因子評価は術材p-N因子評価と一致した。PET-CTによる評価は一致しない例も認められた。従って、術前導入化学療法後にEBUS-TBNAによるN因子の評価は以降の治療方針を検討する上で有意義であると考えられる。」

桂田医師は、「学術集会に参加して、近年の肺癌の診断や治療の進歩は目覚ましいものがあり、とても勢いのある学会という雰囲気を受け、来年も参加したい」と述べておりました。


鈴木医師は、「気管支壁内進展を伴う非小細胞肺癌に化学放射線療法と光線力学的療法による術前集学的治療を試みた2例」を発表し、次の結論を述べました。

「気管支壁内進展を伴う2例のNSCLCに対して、安全にICRT+PDT+手術を行うことが可能であった。また手術検体からはPDTの有効性が認められた。PDTを術前治療とした併用した報告にはPDT+手術、PDT+ICRT+手術、PDT+化学療法+手術がみられるが、いずれの報告でも気管支壁内進展を認めるNSCLCに対してPDTが良好な治療効果につながることが示唆されている。今症例は第二世代光感受性物質であるレザフィリンを用いたPDT+ICRT+手術を行った初めての報告であり、今後の症例の集積が必要である。」

PDTは日本でもまだ広くは行われていない手技であり、会場からは手技の具体的な施行方法についての質問があり、興味を持たれているようでした。


鈴木医師は、学術集会の感想として、「第三世代TKIや免疫療法など新しい治療薬の開発に伴い、肺癌の治療の可能性が大きく広がるのと同時に、新薬を使うことによるリスクやデメリットにも配慮しつつ、患者さんにとって最適な治療を選択する必要があると感じました。」と述べていました。


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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患