第38回 日本呼吸器内視鏡学会 その2 中島と大槻の発表

6月11日〜12日に東京・京王プラザホテルで開催された第38回日本呼吸器内視鏡学会学術集会(池田徳彦 会長)にて、亀田総合病院 呼吸器内科より三沢部長、中島医長、大槻医師の3人が口演発表しました。

本稿では中島医長と大槻医師の発表について報告します。

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中島は、「良性肺末梢病変診断におけるEBUS-GSの展望と問題点」を発表し、「EBUS-GSによる肺末梢病変診断率は、抗酸菌症、器質化肺炎、肺膿瘍においては許容されるものであった。ただし、血液疾患の肺病変診断における安全性は高いが、診断率向上には更なる工夫が必要である。」という結論を述べました。

会場からは「今回の検討における『器具洗浄における培養陽性』とは従来の気管支洗浄における培養陽性と同じ意味なのか?」と質問がありました。

中島は、「器具洗浄における培養陽性というのは、従来の気管支洗浄ではなく、EBUS-GSでエコー所見を確認した結節においてブラシや生検を行った器具を洗浄した検体における培養陽性である。」と答えました。


大槻医師は、「仮想ナビゲーション併用EBUS-GS法による肺末梢生検とEBUS-TBNAを一期的に施行した症例の検討」を発表し、「VBN-EBUS-GSによる肺末梢生検とEBUS-TBNAによるリンパ節生検の一期的施行は、手技の習熟度にもよるが、有効な可能性がある」という結論を述べました。

会場からは、「患者への身体的負担はどうだったのか?」と質問があり、大槻は、「今回は後方視的検討であり、検査による身体的負担に関する検討は行っていない。ただし、一期的施行により患者は1回の入院で済むし、金銭的負担や時間的制約は少ないと考えられる。しかし、病院にかかるコスト負担は問題でもあり、一期的施行に関しては個々の患者の臨床的状況を考慮しながら判断するのが望ましいと考えている。」と返答しました。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患