第171回 日本肺癌学会関東支部学術集会で、桂田雅大医師が発表。
2014年12月6日に京王プラザホテルで行われた第171回日本肺癌学会関東支部学術集会で、桂田雅大と三沢が参加しました。
当科桂田が「クリゾチニブ投与中に癌性髄膜症と多発肝転移でPDとなりアレクチニブで奏功が得られたALK融合遺伝子陽性肺腺癌の1例」を発表しました。
桂田は、「クリゾチニブの効果が乏しいALK陽性肺癌による癌性髄膜症に対して、アレクチニブへのスイッチが治療上有効な手段となりうる」という結論を述べました。
会場から「本症例ではアレクチニブしか選択肢はないと考えられるが、その他の症例において、クリゾチニブで中枢神経系再発があった場合、貴施設ではアレクチニブを使用するのか?」という質問がありました。
桂田は「このようなケースは本症例が当院初であり、状況に応じて判断するべきと考えている。」と答えました。
ランチョンセミナーは、香川大学 副学長・病院長 横見瀬裕保先生の「局所進行肺癌に対する治療戦略」でした。
その中で、N2症例であっても、definitive chemo-radio therapy より inductionchemo-radio therapyを行ってからの手術症例の方が予後良好である。術前の予後予測としてinduction chemo-radio therapy前後のDLCO/FEV1.0の変化が重要であり、FEV1.0を低下させないためにinduction chemo-radio therapy中のリハビリが重要であることを強調されていました。
induction therapyでもPEMやS-1を使用したレジメンを使用しているといった症例も提示されておりました。
その他、「Opsoclonus-myoclonus syndromeを合併した同時性二重肺癌の1例」といった興味深い症例も紹介されておりました。
肺癌学会に参加したのは初めてですが、とても真剣にディスカッションをされており、少しでも矛盾があると、厳しく追及されるのが印象的でした。
内科学会と違って、病理医や外科医も多数参加しており、手術様式・病理組織所見に関するディスカッションが多く、内科医からすると分かりにくいところも有りましたが、違った視点で見ることもできてとても興味深かったです。
このサイトの監修者
亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓
【専門分野】
呼吸器疾患