「肺高血圧症セミナー in鴨川」 千葉大学 田邉信宏先生 講演会

2014年12月9日に、千葉大学、先端肺高血圧症医療学、教授、田邉信宏先生に肺高血圧症について講演頂きました。青島主任部長が座長を担当しました。

田邉先生は、慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症の千葉大学における経験から、呼吸器疾患に伴う肺高血圧症まで、幅広く最新の肺高血圧診療について、お話頂きました。

呼吸器内科医が、肺高血圧症を診療する場合は、間質性肺炎やCOPDなどの呼吸器疾患が併存する肺高血圧の患者さんを見ることが多いと思います。

田邉先生の講演の中では、「千葉大学においては、呼吸器疾患に併存する肺高血圧症では、第一選択 PDE5阻害薬(シルデナフィル、タダラフィル)で、第二選択 ボセンタンとしている」とのことでした。

文献的にPDE 5阻害薬が、換気血流比不均等を起こしにくいとされているため、当院でも、呼吸器疾患が併存する肺動脈性肺高血圧症の患者さんに薬物治療を行う場合は、PDE 5阻害薬を第一選択としております。

会場からは、「亀田総合病院でも、呼吸器疾患に併存する肺高血圧症では、PDE 5阻害薬を第一千択としているが、シルデナフィルとタダラフィルの使い分けはどのようにされていますか?」と質問がありました。

田邉先生は、「まずシルデナフィルを用いて、効果が乏しければ、タダラフィルを用いています。」と答えられました。

当日は、リウマチアレルギー科など肺高血圧症を診療している他科の先生方も、多数参加頂き、貴重な講演会となりました。

このサイトの監修者

亀田総合病院
呼吸器内科部長 中島 啓

【専門分野】
呼吸器疾患