抄読会

本日は、ローテーターの研修医2年目の中居先生に最近話題の下記論文を読んで頂きました。膜性腎症に対して、リツキシマブvsシクロスポリンという論文です。

P 支持療法で蛋白尿改善の得られない特発性膜性腎症
I リツキシマブ投与
C シクロスポリン投与
O 24ヶ月後の部分寛解もしくは完全寛解

結果は、12ヶ月後の寛解率に差はありませんが、24ヶ月後の時点ではリツキシマブ群の方が優位に寛解率が高いという結果でした。日本ではステロイドを使用することが多いですが、本研究のようにリツキシマブ単剤半年おきの治療で良くなるのは素晴らしいと思いました。
一方で、個人的な見解としては、約70%がPLA2R抗体陽性例の集団でしたが、特発性膜性腎症の定義が臨床的に二次性原因がないとなっており、IgG4優位の症例だけにする、もしくはPLA2R陽性だけを集めた方が結果としてわかりやすく、臨床に還元できると思いました。
非常に勉強になりました。ありがとうございました。

Rituximab or Cyclosporine in the Treatment of Membranous Nephropathy

このサイトの監修者

亀田総合病院
腎臓高血圧内科部長 鈴木 智

【専門分野】
腎疾患全般、特に腎炎、腎病理