抄読会

本日は、今月のローテーターである家庭診療科の稲垣陽子先生に下記を読んで頂きました。
初期輸液の比較で、非重症患者における生食対Balanced crystalloid、単施設オープンラベルクラスターランダム化
多重クロスオーバー試験という論文です。

Balanced Crystalloids versus Saline in Noncritically Ill Adults

P ERを受診してICU外に入院した患者
I 0.9 % 生理食塩水
C Balanced crystalloid(乳酸リンゲル液もしくはPlasm Lyte A)
O Primary Hospital free day alive 28 Secondary Major Adverse Kidney Events within 30 days(MAKE30) (死亡、新規の腎代替療法、退院前or 第30病日のCr ≧ 2倍)

結果は、Primary outcomeに差はありませんでしたが、secondary outcome MAKE30に関しては、生食群で多いという結果でした。想定される機序としては、高クロール性アシドーシスによる腎血流低下が考えられております。
とても勉強になりました。ありがとうございました。

このサイトの監修者

亀田総合病院
腎臓高血圧内科部長 鈴木 智

【専門分野】
腎疾患全般、特に腎炎、腎病理