年末の二次救急病院で診た上部消化管出血

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救急医療領域

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○専門医試験を控えたレジデントの先生に、実際にポートフォリオ詳細事例報告書形式で作成した資料を発表していただきました。

緊急で上部消化管内視鏡ができない状況で、上部消化管出血の疑いのある初診患者に対し、緊急度・重症度を意識しながら診療した症例です。
Glasgow Blatchford score を利用しながら患者を緊急で後方病院へ紹介すべきどうかを評価した、単発の診察であり、ベースのHbが分からず悩んだという話でした。

普段の定期外来とは異なり、「後医は名医」の立場になりうる救急外来ならではのセッティングで初めて会った家族や本人へいかに説明すべきか、もし他の設定だとしたらどのように対処していただろうか、いくつかあるスコアリングの中、なぜこのスコアリングシステムを選んだのか、などの質問がありました。
岡田先生からは、地域包括ケアについての話や、休日と平日の患者のmortalityの差についての指導がありました。

参考文献
○A risk score to predict need for treatment for upper-gastrointestinal haemorrhage.
Lancet. 2000 Oct 14;356(9238):1318-21 Blatchford O, Murray WR, Blatchford M.
◯Management of patients with ulcer bleeding
Am J Gastroenterol 2012 Mar 7;107(3):345-60; quiz 361.  Loren Laine, Dennis M Jensen

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学