当科の特徴

〜〜圧倒的臨床力と診療領域の広さ、そして仲間の存在〜〜

<施設紹介>

・亀田ファミリークリニック館山 Kameda Family Clinic Tateyama (以下KFCT)
・2006年6月開設 無床診療所・機能強化型在宅診療支援診療所
・診察室:11室、婦人科診察室(内診台あり):2室、感染隔離室:2室、処置室2室
・診療日:月〜金 9-17時 月:17時半-19時、土:9-13時(診療時間)
     土:午後(不定期)
・技師:X線写真撮影兼エコー技師:1名常駐、血液検査技師:1名常駐
・標榜科:9科 内科、小児科、産婦人科、皮膚科、リハビリテーション科、歯科、歯科口腔外科、小児歯科、矯正歯科
・職員数:約90名(同建物内には約150名の職員)
・併設(全て同建物内):透析センター、リハビリテーションセンター、歯科センター、訪問看護ステーション、総合相談室、ヘルパーステーション* (*運営母体は異なる)
・連携施設:亀田総合病院(千葉県鴨川市 917床)、安房地域医療センター(館山市 149床)、さんむ医療センター(千葉県山武市350床)、森の里病院(神奈川県厚木市 62床)、ファミール産院(館山市)

 当院は人口約5万人の館山市に位置する。館山は館山湾を臨む南房総のリゾート地であり、東京には日帰りで気軽に往復が可能な、住環境の良い街です。
鉄蕉会亀田メディカルセンターグループに所属する一診療科であり、一医療施設であります。米国での家庭医療研修を修了した岡田唯男を2002年に部長に迎え、亀田総合病院(以下本院)内の家庭医診療科として研修プログラムが開始されました。2006年には本院から35km離れた館山市に現在の「亀田ファミリークリニック館山」として診療所を開設し、2007年に日本家庭医療学会認定を取得。当院プログラム修了生は30名以上、院外研修生20名以上を輩出してきた10年以上にわたる歴史あるプログラムです。

●亀田ファミリークリニック館山 家庭医療後期専門研修医プログラム
https://www.kameda-resident.jp/senior/program/bk_internal07.html

当院の最大の特徴は、"単一施設(診療所)でカバーできる診療領域の広さと多様性"、そして、"仲間の存在"といえます。全国でも他施設や近隣のサイトをローテーションすることでさまざまな研修領域をカバーすることはあっても、一施設内でみられる診療範囲は限られていることが多いのが現実です。2015年現在、全国で300前後ある学会認定プログラムの中でも、数少ない<診療所が基幹施設>のプログラムが実現できる理由のひとつです。また、毎年3−4名の研修医を受け入れ、かつ2013年度からは4年制にしていることから、仲間の存在には事欠かしません。それゆえ広い診療領域でも皆が分担して勉強会を行うことで、知識や経験をシェアする文化が根付き、生涯教育が可能な実に理想的な環境といえます!

当院プログラムの6つの強み

1. 国内随一の診療領域の広さと多様性

 外来、在宅診療のみならず透析診療、妊産婦ケア、婦人科領域、予防接種、乳児健診、小児発達障害・思春期診療、整形・スポーツ医学、地域ケア、ヘルスプロモーションなどあらゆるフィールドをカバーしています。リハビリや訪問看護、ヘルパーステーションが全て同建物内に併設されているため、家庭医として必要不可欠な多職種連携も非常にスムーズです。コメディカルと共有する事案や時間が増え、互いに学び合う中で、自ずとマネジメントの質も高くなっていきます。2013年度採用研修医からはcommunity medicine領域の研修を新たに開始し、6項目目に記載しているフェローシッププログラム修了生が行う屋根瓦式オリエンテーションシステムを始動し始めました。

<2014年度業績(一部抜粋)>

・外来受診数:1ヶ月平均 4000〜5000人(母数の多さからレアケースにも遭遇)
・予防接種:9168本/年(月平均764本)
・在宅診療:年間新規導入:59件、在宅看取り率:60%(癌)/76%(非癌)
・透析患者数:47名 (月〜土午前午後:計9クール)
・子宮頸がん施設検診(館山市・鋸南町・南房総市・鴨川市):204件
・産後ファミリー外来:42件、助産師による産後訪問:6件/母乳外来:154件
・健康教室(地域の小中学校や高校での講義など):12件 

最新事業報告
https://www.kameda.com/files/kameda_portal/about/report/files/8.pdf

2. 後期研修は4年プログラム(2013年度採用生より)

理由1)レベルの高い家庭医育成に3年間では少し足りない。
理由2)Community Medicine領域の充実(3年次に実施)。
理由3)4年目はフェローシップ先取り(フェローシップを探す必要がない)。
理由4)専門医受験のサポートが受けられる(学会のプログラム認定は3年のまま。4年目在籍中に提出書類、試験準備のサポートする)。
 毎年1学年3-4名の募集枠として後期研修医を選考・採用しています。
 卒業生も多いだけでなく、すぐ身近で相談できる先輩・上司がたくさんいるため、アウェイで行う心細くなりがちなローテーション生活も、多くの仲間と先輩の存在のおかげで、非常に心強い研修環境となっています。

3. 10年以上の歴史と実力

◯当科研修プログラム開始:2000年(17年目) ※2015年度末時点
◯当診療所開設:2006年6月(11年目)/日本家庭医療学会認定:2007年
 プログラム修了生:計36名(2015年度修了時点までの14年間)。
 その他、短期研修、開業前研修など特別研修生の受け入れ:のべ20名以上。
 修了生は各地に家庭医のロールモデルとして国内外で活躍しています。
例:地域のプライマリ・ケア(開業も含む)として活躍している卒業生多数。その他、大学教育/研究、海外診療(北京)、海外留学(米英)、南極地域観測隊員など。

4. 連携施設に恵まれた理想の研修環境〜家庭医に対する理解と良好な関係〜

<当院の千葉県内の連携施設>

当院での在宅、外来を経て、二次病院(安房地域医療センター 当院から車で15分)、三次病院(亀田総合病院 当院から35km)へと入院となるケースが殆どです。全医療施設のカルテ閲覧が可能であることから、患者さんの継続性も担保され、有機的なフィードバックがかかりやすい研修環境です。いずれの病院も中堅医師が中心となりエビデンスに基づく世界標準の医療および教育を提供しています。そのため研修の量・質ともに申し分ない環境です。研修体制はともに屋根瓦式のチーム診療で、当科研修医はその経歴に応じて研修目標設定やチーム組みがなされています。
 2013年度からは森の里病院、2014年度からは亀田系列外のさんむ医療センターでの研修を開始しています。特にさんむ医療センターでは、2016年度から産婦人科研修と内科診療(病棟・外来・在宅)とを両立させたプログラムを始動する予定です。また当法人内の施設にはない緩和ケア病棟(20床)が併設されているのも特色の一つです。亀田系列以外の病院で「地域のニーズに応える力」を身につける外部研修は、家庭医にとって大きな力となると考えています。

5. 仲間がたくさんいる 〜豊富な勉強会と自然とみにつく生涯学習〜

当院常勤医師(2015年度現在):常勤指導医5名、フェロー(4年次生を含む)4名、レジデント(1-3年次)11名。
 母数が多いため、当院には常に指導医・フェローが6-7名、レジデントが4-6名勤務しています。そのため、分担制にすることで勉強会や多職種カンファレンスが充実し、かつ継続が可能です。まさに、自ら学んだ内容を互いにシェアして学ぶ生涯学習の姿勢が根付いた理想の環境です。勉強会の時間は朝や昼食時、夕方の時間を活用しています。多くの修了生が参加するメーリングリストでは、診療のTipsや各分野のUpdate情報などが数多く発信され、活発なディスカッションが行われており、研修修了後も学び続けるネットワークに身を置くことができるのも大きな魅力といえるでしょう。

6. フェローシッププログラムの存在、名ばかりでない「指導医」

◯FD(指導医養成:Faculty Development)プログラム
◯GPwSI (General Practitioner with Special Interest) プログラム

 当院では院内外で指導医養成のエッセンスについて学ぶ機会があります。つまり、「プログラム修了生=指導医」ではないのが当院"指導医"の強みのひとつです。後期研修医のみならず、研修修了生にとって、大きな魅力ともいえます。
 2013年度から4年次には上記のいずれかを受ける機会が与えられました(一部の医師は院外でFDを行うケースもある)。当院プログラム修了生でない院外からの医師が当院指導医になる場合も、2013年度以降は全員、上記いずれかのフェロー研修を経ています。このように、幅広いニーズに答えられるのは、豊富な人材と指導医、そして様々なフィールドと資源を持った当院プログラムだからこそと自負しています。