逃げるは恥だが役に立つ

エントリー項目

幼小児・思春期

Key word

不安障害、認知行動療法、不登校

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◯小児の不登校・食事摂取量低下の症例に関するポートフォリオでした。
不登校の鑑別診断としては、統合失調症、不安障害、摂食障害、発達障害、パーソナリティ障害、虐待などが挙がります。今回は不安障害の診断で心理社会的な背景を探りながら認知行動療法を使って治療を行いました。
恐怖性不安障害(社交恐怖)の頻度は高く、治療としては、認知行動療法が重要であり、その方法の1つとしてエクスポージャー法というものがあります。何度も繰り返し暴露されるうちに不安感が弱まる、という原理です。
また、食事摂取量低下に対して自己管理を支援するアプリを使って本人・家族の認識の変容を促し、体重増加に結びつける事ができました。逃げるは恥だが役に立つ、という言葉はハンガリーのことわざで、自分の勝てる場所を探す、という意味です。不登校の解決はすぐにはできませんが、食事摂取量や体重は増加しており、本人の勝てる場所を1つ作り出すことができました。
discussionでは、家族機能やfamily treeを意識した視点が重要という意見が共有され、家族カンファレンスを行うなど、今後の診療へのnext stepが共有されました。

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学