ほっておいたら、いつまでも話し続けそうな人との外来について考えた

エントリー項目

コミュニケーション

Key word

talkative patient、 コーチング、行動科学

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◯外来で主に社会的・心理的なこと(雑談)が話題の中心となり、外来時間のマネジメントができず、不全感を感じた症例をもとに発表して頂きました。
本人の話や自分の感情、医学的な判断をパラレルチャートで整理して示すことで、何故もやもやとした感情を抱くようになったかが聴衆にも分かりやすい発表でした。
考察として"Talkative patient (おしゃべり好きな患者)"を扱った文献1)を取り上げ、「段階的アプローチ」「時間管理の責任を共有」「患者の面目を保つ」という3つの戦略を外来診療に取り入れていくことを提起されていました。
ディスカッションでは、各々が外来診療の中で実際に行っている時間管理、議題設定の工夫を共有しました。継続的に診療していく中で医師・患者関係が構築され、「阿吽の呼吸」となって結果的に診療時間が短くなるという指摘や、自身のジェンダー・性格と相手の性格がどのようにマッチングするかによっても診療の構造が変わるだろうという指摘がありました。
difficult patient ならぬ "talkative patient"をお題とした、これまでに類を見ない面白い発表でした!

参考文献
1) Esther Giroldia et al. How to gather information from talkative patients in a respectful and efficient manner: a qualitative study of GPs' communication strategies. Family Practice, 2016, Vol.33, No.1, 100-106
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このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学