演出家としての家庭医

エントリー項目

コミュニケーション

Key word

ヘルスリテラシー、コミュニケーションデザイン、家族志向、多職種連携

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○本日は、当初患者や家族、他職種とのコミュニケーションに苦慮したがラポールを形成できた事例であった。
アルコール多飲歴のある入院患者と自身で判断を下すのが難しい娘(キーパーソン)、ケアマネージャーや病棟看護師と家族面談を重ねることで患者から信頼を得るに至った。
「いつまで入院させるんだ。」と考えている本人、混乱している娘、「言うことを聞いてくれない」という病棟看護師の間で、主治医として、医療のコンテクストを意識して相手の価値観、立場で話すことの重要性を学び実践した。
平田オリザ著の「わかりあえないことから」より相手の言葉を字面で捉えないことの大切さ、コミュニケーションデザインが学びになった。

ディスカッションでは、ヘルスリテラシーが低い人への対応、非言語での『対話』の重要性が上がった。ある現象が記号化(言語化)されて、その記号が受け手に渡り解読していく過程で、ノイズが入り込む余地がありそれに人は注意する必要がある。
配役やスポットライトを誰に当てるか、演出家としての家庭医の腕の見せ所である。

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学