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医療者自身のケア

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今回は専攻医3年目中島先生のポートフォリオでした。今回、安房地域医療センターで初めて(生物学的な)男性という立場で育休を取得した経験を振り返り発表をしてくれました。

妻の第二子の妊娠が判明し、そこから利用できる制度を探し始めました。そこで見つけたのが、育児・介護休業法(産後パパ育休)でした。今までの制度と大きく異なるのは、以前は育休中に働くことができない制度でしたが、育児・介護休業法により、育休中でも働くことができるという制度になっていることです。やはり背景には職場に迷惑をかけたくないという思いもあり、この制度を利用し、最終的には2週に1回の外来をしながら育休を取得することにしました。育休を取得することで、妻の入院中、娘が寂しがらずにすみ、「一家和楽」、つまり家族が笑顔で過ごせることが自分の基盤なのだと感じたそうです。また亀田家庭医はこのようなチャレンジをするときにチャレンジを応援してくれる理解のある上司しかおらず、どの制度を利用するのが良いか一緒に考えてくれて心理的な負担がほぼ無かったとのことでした。

ディスカッションでは第一子の時は育休をとることは全く考えておらず、妻の両親というサポーターに頼ることも多く、中島先生自身は仕事を重視し、仕事を充実されることがWellbeingであったと感じていたようです。その時と比較すると、今回は中島先生にとっての「一家和楽」が根本であることに気づき、自身のWellbeingが大きく変わった経験であることがよくわかりました。

また、医師としての成長が担保されないこともストレスになりうることもあり、そのバランスの難しさについても言及されていました。

先行事例があることが職場での男性育休を推進する要因であるという研究もあり、今回前例がない中でファーストペンギンとして育休をとれたことが重要であったのではないかとコメントがありました。さらに今後、中島先生の経験を発信していくことで、病院に人が集まり、それが更に多様性のある働き方につながる可能性についても岩間副院長から話がありました。

当院の先輩医師である岩間副院長は育児や家事の経験はその後の働きに必ず役立つ「越境学習」と言っていました。越境学習をして帰ってきた中島先生の今後の活躍に期待大です。

文責:田代

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学