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長期的な全人的関係に基づくケア


専攻医2年目の溝越けやき先生のポートフォリオでした。

外来通院中の高齢女性。お孫さんと2人で暮らしていますが、心不全増悪での入退院や頻回な救急外来受診を繰り返し、自宅での生活が難しくなっていました。外来で在宅医療導入を提案していましたが、お孫さんがサービス導入に抵抗感を持ち、調整に難渋していました。再度心不全増悪を起こして入院した際に、転帰先調整目的に病院でケア会議が開かれ、外来主治医である溝越先生も参加しました。会議では「家でゆっくり過ごしたい」と希望する本人と施設を希望する家族とで意見が分かれました。会議が滞るなかで、溝越先生が「家でゆっくり過ごしたい」というのは、「安心できて家族が来訪できる場所で穏やかに過ごす」ということではないかと提案をしました。今のままでは安心して自宅で過ごすことができないこと、施設で穏やかに過ごすのはどうかと本人に伝え、本人も施設で納得して会議は終了しました。お孫さんも後日溝越先生を訪れて感謝されていました。

溝越先生は、外来を継続したことで本人や家族の苦しみに少しずつ近づき、ケア会議を通じて思いを表出できたことがよかったと振り返っていました。
ディスカッションでは、ケア会議の前後で関係性の変化や、お孫さんの話も多いので家族志向をテーマにしてもよいのではないかなど様々な意見が出て盛り上がりました。
溝越先生、お疲れ様でした。

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学