生きがいとは 自分を徹底的に大事にすることから始まる

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患者中心の医療

キーワード

PCCM(BPSモデル・illness・Health・共通の理解基盤)


後期研修3年目の吉羽先生のポートフォリオでした。
アルコール性肝障害の40代男性の患者さん。外来を重ねる上で様々な話がありましたが職場でのストレス発散する代替案がなく、減酒と禁酒が提示しましたが毎日の飲酒量は変わりませんでした。ある時期より肝胆道系酵素上昇をみとめ、患者-医師関係を構築しつつ患者背景を考慮した情報収集とアルコール指導を行われましたが、飲酒量は変わらず、検査値が著明に右肩上がりとなっており、今後の外来での対応を検討する症例でした。

PCCMを用いて

  • BPSモデルにあてはめる
  • illnessはなにか
  • Healthはなにか
  • 共通の理解基盤は作れているか(ギャップを確認)

上記のように本症例を分析し、今後のアプローチについて考察がありました。

吉羽先生からは、飲酒の原因となっている背景(ストレスなど)に現状あまりアプローチできていない中で肝障害が進行していることへの焦燥感を抱いていることや、共通基盤をつくる上で吉羽先生と患者さんとの求める役割の一致が良い影響があったことなどを振り返っていました。

ディスカッションでは、アルコール利用障害の患者さんが飲酒量を変えることは非常に難しいことを再認識した上で家庭医ができることを参加者皆で模索しました。
アルコール利用障害を外在化するアプローチや、予後が悪いことが予測されるため患者さん本人が想像する今後の人生とのギャップに介入すること、家族への説明の必要性など活発な議論がありました。
吉羽先生、誠にお疲れ様でした。今後も共に勉強させていただきます~!

文責:溝越けやき

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学