これがlongitudinality?

キーワード

longitudinality

発表者

後期研修2年目 田代直寛 先生


後期研修2年目の田代先生のポートフォリオでした。
90代サ高住入居中の方。高度貧血があり精査を行っていましたが、上部消化管内視鏡で早期胃癌が見つかり、同部位から静脈性の出血がありました。早期胃癌であったため、田代先生は家族を含めてICを行いましたが積極的加療を希望されず、BSC方針となりました。複数回の外来通院や笑顔を絶やさず明るい患者のキャラクターなどを通じていつしか先生との間に絆が芽生え、そのうちに先生の中に責任感が芽生えるようになっていました。本人や家族の思いを聞きながら、本人が希望する施設にいたいという思いを叶えるべく在宅診療の導入を行い、施設内で看取った症例でした。

田代先生は、患者に対して主治医としての責任感が出てきたことや患者に寄り添うことができたこと、複雑な医学的な問題の中でも治療方針を家族や本人と一緒に決定できたことが良かったと振り返っていました。

ディスカッションでは、患者は先生の前で気丈に振る舞う様子があり、患者本人の本当の思いはどうだったのか、患者がなぜそのようにふるまったのか、longitudinalityについて「双方向性」や「考え方の変化」があったとしたらそれは何なのか、患者に対してのケアに変化があったのはどういう点かなどさまざまな意見が出て盛り上がりました。
田代先生お疲れ様でした!

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学