「それでもボクはやりたくない」

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患者中心の医療の方法

キーワード

PCCM、自己決定能力の評価、SDM

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今回のポートフォリオ発表会は、喘息大発作で救急搬送された精神疾患の既往がある中年女性に入院加療を提案したところ、家庭事情により入院拒否され、共に議論した末に、一時帰宅し再入院するという、第三の妥協点を見出したという症例でした。

Discussionでは自己決定能力の評価方法・注意点や患者判断に影響する因子にFocusして話が盛り上がりました。本症例は背景に精神疾患を抱えている方であり、さらに救急外来という時間的余裕のない中で、本人の意思決定能力の評価が非常に難しい状況でした。PCCMや意思決定の枠組みを利用し、ご本人やその家族とのやり取りを行うことで、第三の選択肢を患者さんとともに考え実行することができたという田坂先生の経験は私にとって大きな学びでした。

指導医の先生からは入院するということについて、患者さんと意見が対立した際に、入院をするかしないかということに焦点を当てると対立構造が生まれやすいという話をいただきました。入院はあくまで安全に加療を行うための手段ではなく、目的ではないことを意識することで、患者さんと同じ方向を向いて、患者さんの意思決定支援が可能になると教わり、今までの自分の診療を振り返る貴重な機会となりました。

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学