繭の冬越し

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思春期のケア

キーワード

不登校のケア、齊藤真比古の5軸、きょうだい児のケア

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今回は専攻医2年目の栗原先生発表で、不登校の中学生の症例でした。
コロナウイルスで通常と違う学校生活を送る中での前医からの引き継ぎでしたが、
3回診察したところで本人が高い目標をかかげていることと現状が乖離しているなどもやもやすることがあり他の医師に相談の上、母と本人とライフレビューを行いました。
不登校の多軸評価に従って分析すると発達特性がありそう、また過剰適応型と考えられました。ライフレビューの後に本人が昔のことを思い出して学校に一時的に行けなくなる時期がありましたが、そこを乗り越え本人が現実的な目標を立て、良い方向に向かってきている状況でした。

ディスカッションでは母やきょうだいの疾患の状況、きょうだい児との関係、医師に対しても過剰適応すると思われるので介入の加減を考える、失敗してもいいというメッセージを伝える重要性、次の診察までの期間などを本人に決めているのが本人の自己評価を聞いているのと同義で良かった、ライフレビューが本人の遮断していたものを明らかにしており、準備をきちんと行った方が良かったかもしれないという話が挙げられました。

参考文献
不登校対応ガイドブック 齊藤真比古
みんなとおなじくできないよ 障がいのあるおとうととボクのはなし 湯浅正太

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学