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思春期のケア

キーワード

思春期のケア、睡眠障害、ライフサイクル、家族ライフサイクル

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専攻医2年目の塚原先生のポートフォリオ発表でした。
12歳女児、睡眠の乱れを主訴に受診されました。起立性調節障害、副腎機能不全、うつなどを鑑別に診療を開始しました。一時通院drop outもありましたが、関係を継続しながら、学校での様子、家族背景、友人関係、将来の展望などについて丁寧に情報収集を行いました。その中で、本人の日々の生活を詳細に記録してもらったところ、少しずつ生活リズムが後退していっていることに気付き、「概日リズム障害」という鑑別が浮かび上がりました。非常に珍しい疾患で、明確な治療法もなく、家庭医の役割やどこまで見続けていいのか、専門医への紹介のタイミングはいつがいいのか、といった点で、難しさともやもやを感じることになりました。

Discussionでは、本人のニーズや心理的側面をもっと掘り下げてみては、本人・親だけでなく学校からも情報収集し多面的に状況を捉えてみては、といった意見が出ました。

岩間先生からは、稀少疾患だからこそよりBiomedicalに詰めて他の疾患を除外する必要性、まずは身近な小児科専門医に相談してみること、今の状態が本人や家族にとって疾病利得になっている側面がないかの考察、家庭医は本人・家族・学校・専門医をつなぐ役割を担える、といったアドバイスがありました。

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学