思春期勉強会「虐待を受けた子どもの深層心理」

当院では月1回教職員・スクールカウンセラー・教育委員会の方と、思春期に関わる問題を扱う「思春期勉強会」を開いています。
11月は「虐待を受けた子どもの深層心理」についてレクチャーを行ないました。

外来で虐待を疑い、通報することは稀にあります。
しかし、実際の家庭医療外来で困ることは、
その後、保護された子どもたちの「問題行動の相談」であったり、
その保護者・学校教師・施設関係者の困りごと相談といった「支援側の支援」ではないでしょうか。
その上で、「虐待を受けた子ども達の深層心理」を理解することは、対応する幅を広げてくれます。

子どものこころの形成は、養育者との親和的な相互交流で支えられます。
失調的な子育てを受けてきた子どもたちは、それらが過度に乏しかったり、偏ったかたちでしか得られずに育っていることが多く、それが問題につながっています。
問題は大きく (1)心理的な問題 (2)PTSD的な問題 (3)発達的な問題の3つに分けられます。
実際これらが複雑に絡み合っていることが多いです。

支援者として、子どもとの間にどのような心理作用が起きるか知っておくことで子どもに巻き込まれたり、過度な消耗を避けやすくなります。

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文責 宮本

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学