思春期勉強会「システムで考える不登校支援」

当院では月1回教職員・スクールカウンセラー・教育委員会の方々と、思春期に関わる問題を扱う「思春期勉強会」を開いています。
先日は不登校について扱い、レクチャーを行いました。

プライマリケアの現場で小児科診療を行っていると、時折不登校の相談が来ます。しかし、医療者にとってもなかなか扱いずらい問題ではないでしょうか。
その理由に、原因が一つでなく、複雑に絡み合っていることが多いこと、そもそも「原因がよくわからないこと」も多いからだと思います。
そこで、家族療法や家庭医の視点である「システム理論」の観点から不登校を捉えてみました。
システムから捉えると、不登校の原因は「個人」「家族」「社会(特に学校)」という3つのシステムが「接点を失い、それによる悪循環」が起こっていると考えます。
大切なのは、「家族」や「社会(特に学校)」といった「本人の支援者」が本人との接点の持ち方をいかに工夫し、本人と親密な対人関係を持つようになれるかになります。
本人の支援もですが、「支援者の支援」もより大切です。
その後のディスカッションもいろんな意見が出て盛り上がりました。
今後も教育と医療で連携して不登校について取り組んでいけたらと思います。

文責 宮本

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このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学