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リハビリテーション

Key word

ICF(国際生活機能分類)、高次脳機能障害、生活支援


○今日は専攻医3年目の坂井先生のポートフォリオでした。

中年男性で脳出血後、リハビリ通院にあわせて定期通院している患者さんに対して書類の手続きを進める上で高次脳機能障害を疑った症例でした。役所に提出する書類の不備があり再提出をしなければいけないなか、期限1ヶ月前の定期外来のときにその相談をされました。その後も書類の手続きがなかなか進まず、物事の優先順位がつけられない、注意障害、遂行機能障害などがあるものの本人は全く困っていない状況への違和感がありました。こうした状況から高次脳機能障害の影響を改めて疑い、ICFを利用して本人の状況を整することで、症例の中での現状把握・目標設定や、自分の中でのもやもやポイントが整理されました。

ディスカッションとしては、どこがレバレッジポイントか、病前性格がどうだったのか、リハビリの算定超えをしている状況であり中期・長期の目標のすり合わせを行うこと、家族をシステムに入れていくこと、支援してくれている兄弟がいなくなったときに本人・家族は立ち行かなくなる恐れがあり、セーフティネットを考えることなどが挙がりました。

岡田院長からは精神疾患・発達障害などと同様に見えない障害だと本人・周囲の支援が得られにくくその点でのつらさなどへの適切な支援、人と人をつなげることが家庭医の重要な役割であるというコメントがありました。

このサイトの監修者

亀田ファミリークリニック館山
院長 岡田 唯男

【専門分野】
家庭医療学、公衆衛生学、指導医養成、マタニティケア、慢性疾患、健康増進、プライマリケア・スポーツ医学