初期研修医 緒志先生 1ヶ月研修 ~多職種同行での気付き~

当院初期研修医の緒志先生が当科を1ヶ月間ローテートしてくれました。
疾患だけでなく、その人の人生や背景も診る診療がしたい、という緒志先生はとても在宅医療との親和性が高く、たくさんのことを感じ、学びを得たようです。
特に当科研修の売りでもある多職種同行研修では、訪問看護師、ホームヘルパー、ケアマネ、医療ソーシャルワーカー、退院支援看護師に同行し、ケア移行や在宅医療における各職種の役割や連携のポイントを学んでくれました。
将来どの科に進むとしても今回の学びを忘れずに頑張ってください!
以下、緒志先生の感想文です。


2025年2月の1ヶ月間、在宅診療科をローテートさせていただきました。
病院以外で診療行為を行うことは初めてで、特に初日はとても新鮮に感じたことをよく覚えています。
はじめの頃はまずは基本に忠実に、しっかり問診と身体診察をして医学的な評価を丁寧にすることを意識しましたが、慣れてきてからは在宅の「生活の場」を壊さないように配慮し、少しずつ生活の様子ついても聴くように心がけました。
可能であれば患者さんのこれまでの人生から価値観やどのように最期を迎えたいかといった話もしたいと思っていましたが、医師として患者さんの本音を引き出せずにいました。
そんな中、在宅診療科ローテート中に多職種同行の機会をいただきました。(看護師、ホームヘルパー、ケアマネ、医療ソーシャルワーカー(MSW)、退院支援看護師など。)同行業務の中で看護師は患者さんに触れている時間が長いこと、ホームヘルパーは家事や介護を通して利用者さんの生活を密にみていること、ケアマネやMSWは以前のような生活を送れなくなった人が困らないように環境調整を行うことなど、多職種の業務や専門性、その職種から患者さまがどのようにみえるかを知りました。亀田では異なる職種が隣り合わせの机で仕事をする環境があり、活発に情報共有が行われます。その環境でいろんな職種の情報を集め、患者さんを多面的に捉え、より良いケアへとつなげていけるのだと感じました。
もちろん、医師として患者コニュニケーションを磨くことも重要だと考えています。が、コミュニケーションスキルをどんなに磨いても自分が得られる情報は一方向からの視点でしかなく、多職種でのコニュニケーションがあることでより深くその人を知ることができる。そのようなことが、在宅診療科研修で学んだ1つのテーマであると感じました。
このような学びがあったのも日々一生懸命患者さまと向き合う職員皆さまと、活発に情報共有を行う環境があってこそだと思います。改めまして、実りある1ヶ月の研修、ありがとうございました!


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このサイトの監修者

亀田総合病院
在宅診療科 部長 大川 薫

【専門分野】
家庭医療学 在宅医療