ポートフォリオ勉強会 「エンゼルケア」

エントリー:臨死期

〜ポートフォリオ勉強会とは〜
ポートフォリオ基盤型学習は専門医取得の研修要件の一つです。「今この経験は、在宅医となるために必要なも知識・技術・考え方の全体のうちの、この領域のこの部分を学んでいる」ということを意識して診療することが求められます。日々の学びを蓄積した記録である「学習ポートフォリオ」をもとに、評価用の「ショーケースポートフォリオ」を作成していきます。
亀田在宅では定期的にポートフォリオ勉強会を開催していて、来年から再来年にかけて専門医取得を目指す面々が持ち回りで自身のショーケースポートフォリオ(の卵)を発表しています。
今回はフェローの江口医師による「Dr.とNs.が共にエンゼルケアをやること」に関してDiscussionしました。


亀田在宅では、看取りの際に、看護師と同行して、死亡診断ののちに、エンゼルケアを一緒に行います。
これまで病院勤務をしていた身としては、エンゼルケアを一緒に行うことは新鮮でした。
日本は、死後もそこにその方がいると感じる深い歴史と文化があります。
エンゼルケアとは、単純な死後処置とは違い

  • 死に至った患者や死に立ち会う家族に対して、「これまでのケアの延長」としてできる限りの援助を行う
  • 死後も患者の存在を認め、家族の意向を尊重しながら、「患者の尊厳が死後も保たれる」ように配慮をし、家族が死と向き合い、死を受容するための環境を作る
  • 医療者自身も、ケアの区切りと考え、今後のケア業務への糧とする

と考えられます。
「医師がエンゼルケアを行うこと」で、ご遺族や看護師、医者自身の、満足度や悲嘆への適応についてを考えました。
ご遺体のケアを、看護師が家族と一緒に行うことについての家族の体験・評価医師を対象とした設問といった文献がありましたが、いまだ検討されるものだろうと思います。
(現実的には、他の定期訪問、臨時対応の可能性、コスト面が懸念点ではありますね)
のちのグリーフケアにつながる大切なひと時に寄り添えるように、
引き続き、患者さんの旅立ちの手伝いと、ご遺族や医療者が死と向き合い、死を受容するための環境作りをさせて頂きます。

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担当:江口医師


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このサイトの監修者

亀田総合病院
在宅診療科 部長 大川 薫

【専門分野】
家庭医療学 在宅医療