在宅患者さんの災害時対策

〜 ガソリン式発電機の準備 〜

在宅患者さんの中には、自宅で医療機器を使用している方が多くいます。人工呼吸器、在宅酸素、NPPV、吸引器、電動ベッド、エアマットなどです。これらの多くの医療機器の駆動には電気が必要なので、停電時にはどうするか?を予め考えておかなくてはなりません。
2019年9月初旬に房総半島を直撃した台風は記憶に新しく、在宅で診療している患者さん達のご自宅にも大きな被害を出しました。暴風雨で家屋が破損したお宅もあれば、家屋の破損を免れても停電が長期間に及んで冷蔵庫やエアコンも使用できず生活そのものがままならない...というお宅もあったようです。
さて、今年もまた大型の台風16号が接近している...という心配な情報を受けて、在宅診療部では過去の経験も活かして粛々と対策が練られました。
医療機器を使用している患者さんのリストアップ、バッテリーや発電機を持っている人、持っていない人、在宅酸素を使用している人は緊急用ボンベを何本持っているのか、そしてそれは何時間もつのか、また、酸素濃縮器から緊急用ボンベへの付け替えは患者さんや家族の力だけでできるのか、仮に停電が長引いてしまって自宅療養が不可能になった場合の入院先のあてはあるのか。。。
何が起きるかを想定して対策を練るのは予想以上に大変です。
個人的には、これまでテレビでしか見たことのなかったガソリン式発電機を試運転できたことが印象的でした。
グリップを何度引いても始動できない!と思っていたら実はガソリンを入れ忘れていた...なんていうミスもありつつ(笑)、なんとか始動できたときには思わずガッツポーズが出ました!
でも、いざという時に果たしてこの作業をできる患者さんはどのくらいいるのだろうか?と考えると、自宅で療養する、ということの複雑さ・難しさを痛感します。
今回の台風による被害がないことを祈っています、、
「備えあれば憂いなし」ということわざが現実になりますように。

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このサイトの監修者

亀田総合病院
在宅診療科 部長 大川 薫

【専門分野】
家庭医療学 在宅医療