亀田ファミリークリニック館山 専攻医 高橋先生の1ヶ月ローテート
8月も亀田ファミリークリニック館山から専攻医の高橋先生が1ヶ月ローテートしていただきました!
写真にある様に当部ローテート中にライフレビューを10人の患者さんから聞くことを目標に研修してもらいました。ライフレビューを聞く中で、家庭医としてどう関わるか・どう成長していくかについて考えてくれました。
ぜひ、宣言通りまたの研修をお待ちしております笑!
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1か月間研修させていただきありがとうございました。
在宅診療を経験してまず最初に思ったのは、「いかに自分の想像力が乏しかったか」ということです。患者さんのお家に伺うことで、だれと住んでいてどんな関係性なのか、どんなサービスを受けて、どんな1日を過ごしているのか、趣味や職業はなにかなど、その人自身や、生活の様子などがありありと浮かんできました。外来で診ている患者さんについても、そういった情報を聴取することはありましたが、訪問で実体験としてそういったコンテキストに触れることで、想像力が豊かになったなと感じました。
また、病棟や外来(患者さんにとってアウェー)と家(患者さんのホーム)という場の違いに関しても思うことがありました。研修の目標のひとつに、「ライフレビューを聞く」というものがあり、訪問の度に話を聞いていました。その中で、「家だからこそ」生まれた会話や雰囲気があるように感じたことがあり、僕ら医療者がお家に伺う意味を実感しました。印象深いライフレビューや患者さんとの対話の後には、映画や小説を楽しんだ後のような充実感が得られ、「医師自身の職業人としての人生が非常に豊かになる(I.McWhinney)」という言葉の意味も少し理解できたような気がしました。医学的な対応に関するところでは、病棟のようなきめ細やかな対応はできない(ただ一方でできないことばかりでもないとも感じました)からこそ、家族のサポートや、訪問看護・リハなど多職種との連携が非常に重要なポイントになると感じました。
さらに、在宅診療を経験したことで、これまで教科書などで学んできたけれど、よく理解できていなかった家庭医療学の理論が、なんとなく自分の中に入ってくるような感覚もあり、本当に充実した1か月を過ごすことができたなと感じています。これは患者さんとの良い出会いや、都度フィードバックをくださった先生方、ローテーターとしての私を快く迎え入れてくださったコメディカルの皆さんのおかげだと感じています。この場をお借りして感謝申し上げます。ただこの1か月、自分の至らなさを実感する場面も多々あったので、今後も時間をみつけて在宅診療科に伺い、勉強させていただけたらと思います。繰り返しにはなりますが、1か月間本当にありがとうございました!
このサイトの監修者
亀田総合病院
在宅診療科 部長 大川 薫
【専門分野】
家庭医療学 在宅医療