在宅X緩和ケア勉強会「苦痛緩和のための鎮静」
「在宅x緩和ケア」シリーズとは、在宅医と緩和ケアチーム(PCT)スタッフが、毎回異なるテーマに関して、事前資料やスライドをほとんど使わずに、リアルタイムでディスカッションを進めていく"即興"形式の勉強会です。
エビデンスやガイドラインをどのように臨床に実装していくのかに関して、緩和ケアコンサルテーションチームの日々のプラクティスと、在宅セッティングでのあるあるな課題を突き合わせて、現状でのベストプラクティスを探る、あじわい深い学びの時間になっています。
今回は「苦痛緩和のための鎮静」というテーマのもと、疼痛緩和ケア科蔵本浩一Drに進行役を担当いただき、以下のようなディスカッションの流れになっていきました。
- 鎮静の定義と種類(間欠的鎮静・調節型鎮静・持続的深い鎮静)
- 鎮静で考慮すべき因子(患者の意思・治療抵抗的苦痛・予後)
- 耐えがたい苦痛
- 治療抵抗性とは何か?
- スピリチュアルペインで鎮静は考慮するのか?
- 実際の鎮静薬の使用方法
ディスカッションの中で以下のようなコメントがありました。
「在宅の場では、特に呼吸困難やせん妄に対して鎮静を考慮することがある」
「細かい鎮静の調整は在宅資源を考えるとなかなか難しい」
「本人と家族の意思が異なる時、本人の意思を尊重することが大前提だが、実際は難しいケースもある」
「苦痛のうち心理的苦痛とスピリチュアルペインをしっかりと分ける必要がある」
「鎮静の適応は明確に割り切れるものではないので、事例ごとに複数人で何度も考えていく必要がある」
「病院における患者のコンテクストと在宅における患者のコンテクストを考えると、在宅では鎮静を考慮する場面は経験上少ないように感じている」
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このサイトの監修者
亀田総合病院
在宅診療科 部長 大川 薫
【専門分野】
家庭医療学 在宅医療