いろいろ経験してこそ
最近、思うことがあります。
あくまでも自分が経験した私見であり皆さんにあてはまるわけもなく書いています。
泌尿器科医として25年を迎えようとしています。
泌尿器科後期研修時代を思い返したり、今、後期研修医の先生達と触れ合い、どんな医師になりたいか、そのキャリア構築にどのように関われるか自問自答を繰り返しています。自分が憧れる人のようには振る舞えないのもわかっていますが、自分をいつも高め、指導者として若い世代に伝えることができるのは自分自身の経験と目の前の患者さんをどのようにして治療していくのかと言う当たり前の原点に戻ります。今後何度も書くかも知れませんが、「何のために医術を磨くのか?」私は「自分のため」と置き換えるのが一番腑に落ちます。
将来前立腺がんになったとき、自分では手術できない訳ですから、若い世代には術後に尿漏れがない手術、勃起を温存できる手術を一生懸命考え、伝え、技術を継承していくのが重要と考えるからです。
人それぞれ医師と言う職種を選択し、大学病院あるいは有名病院での後期研修を迎えるのだと思います。有名病院を転々とすることがいいのかどうかもわかりませんが、どうしても上から目線になりませんか? 私自身3年目に大学病院で働いていたときは、開業医の先生、中小病院からの依頼に上から目線だったことを思い出します。今では本当に失礼なことをしたと反省しています。若い世代には、地元に根付いた病院での研修をぜひぜひして欲しいです。この病院にどんなことをすればよくるのか、自分が関わることで良い空気、雰囲気を入れて欲しいと思います。若くてもできることはたくさんあります。私自身は若い時期に静岡済生会総合病院での経験が宝になっています。
病院が自分にしてくれることを望んでいるうちは赤ちゃんです。病院の言うことに反抗できるようになると中学生です。病院と一緒に楽しめるようになると高校生、病院のために貢献できるようになれば大学生です。今は病院のブランドをさらに高めるために今頑張っています。
私の捉える泌尿器科という職業は、泌尿器科疾患の外科医であり、一般的には「職人」を目指してきました。「見初められたら全力を尽くせ」、「誘いは断るな」、「医師はフットワーク」、「365日仕事がなかったら損と思え」などなど恩師の言葉です。今の時代とマッチするかどうかもわかりませんが、共感できる若者と切磋琢磨し、自分ができることを一生懸命提供し、次世代に伝えることが自分に与えられた使命と思っています。
高校生時代の先輩に頂いた似顔絵
このサイトの監修者
亀田総合病院
泌尿器科部長 安倍 弘和
【専門分野】
泌尿器疾患一般 腹腔鏡下手術