ひだり尿管損傷 〜一生腎瘻?腎摘?〜
48歳女性
【初診日】2021年夏
【主訴】:左尿管閉塞の治療相談
【手術歴】 2018年 【腹腔鏡下子宮全摘除術】
2021年 【腹腔鏡下腟亜全摘除術】
【現病歴】:2021年春 腹腔鏡下腟亜全摘除術の後、退院時に左水腎症指摘。
神経因性膀胱発症。
自己導尿にて排尿管理を行い、自尿が100-200ml、残尿200-300ml。
【本人からの相談内容】
一生腎瘻か、腎摘といわれて、諦めていた。
【診断】
#ひだり尿管閉塞
#ひだり水腎症
Q1:まず行わないといけないことは何でしょうか?
A1:尿路を確保するためにすぐに腎瘻造設が必須です。
Q2:尿管修復術の時期について
A2:決まったものはないと思われますが、少なくとも腹腔内の術後急性期の反応が収まる3ヶ月以上は開けた方が良いと感じています。6か月経てば落ち着いていると思われます。
【経過】
お仕事の都合をつけていただき、翌週に 【ひだり腎瘻造設術】
2021/秋 【腹腔鏡下左尿管膀胱新吻合】 腎瘻抜去
6週間後 【ひだり尿管ステント抜去】
となりました。
術前CT:左水腎症 (左尿管損傷後)
術後CT:ステント抜去後1か月目、水腎症は改善
【手術】
尿管膀胱新吻合は粘膜下トンネルにて吻合しています。
神経因性膀胱や夫婦生活など膀胱尿管逆流に気を遣うことも必要です。
膀胱粘膜の露出
尿管膀胱新吻合
48歳と同世代で、心が痛みます。
自分自身に置き換え何ができるのか「考える!」
初心に戻り診療をしたいものです。
「Think!」 「Think!」 「Think!」
このサイトの監修者
亀田総合病院
泌尿器科部長 安倍 弘和
【専門分野】
泌尿器疾患一般 腹腔鏡下手術