再発後腹膜腫瘍切除:腫瘍外科

本年最後の手術は腫瘍外科チームによる再発後腹膜腫瘍切除術でした。
腫瘍外科手術に泌尿器科の若手も参加します。

腫瘍外科では後腹膜腫瘍(脂肪肉腫、平滑筋肉腫など)、子宮平滑筋肉腫やその他希少がんの手術が行われています。週に2件のペースで肉腫の再発手術を経験します。泌尿器科若手にとって開腹手術の勉強になる場でもあり、患者さんたちの声を感じる機会でもあります。たくさんの方々が再発し、腫瘍外科で手術を受けられることに驚かされます。

肉腫の増大により多臓器を圧排することで、疼痛、腸閉塞、尿路閉塞などなど、が起こります。肉腫の再発に対しては全国的に切除が敬遠される傾向にあることも知りました。多臓器の損傷や術後管理の大変さ、再発が高頻度のためできることなら避けたいと思う気持ちがあるからかもしれません。
腫瘍と腸管の合併切除、肝臓、腎臓、膵臓、時には肺、横隔膜の合併切除など驚かされます。若い方が多く、手術すること数か月でも疼痛などの症状緩和が達成できたり、延命することもできるのだと感じています。 
再発肉腫の手術成績はエビデンスが乏しく成績から手術を決定するのは難しいのが現状ではないでしょうか。
再発肉腫のなかで最も多い症例は、子宮平滑筋肉腫ですが、若い方が多く、再発した際は、婦人科ではなく、外科で手術されることになります。原発巣と再発部位が違うと専門?が揺らぐところも再発腫瘍に対する手術が行われない原因の一つかもしれません。

大野先生、矢嶋先生 お二人の先生方の手術姿にはいつも感動を覚えます。


211229img1.jpg 大野医師


211229img2.jpg 矢嶋医師

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このサイトの監修者

亀田総合病院
泌尿器科部長 安倍 弘和

【専門分野】
泌尿器疾患一般 腹腔鏡下手術